Expoとは?AI駆動開発でスマホアプリを一人で作る完全ガイド
この記事で分かること
Expo は、React Native をベースにしたクロスプラットフォームのスマホアプリ開発フレームワークです。iOS / Android の両方を TypeScript 1つで書ける、設定地獄をほぼ全部吹き飛ばしてくれる、そしてユーザーのスマホに即時アップデートを配れる(OTA 更新)。
スマホアプリ開発が「こんにちは、を画面に出すまで3日」から「30分」になった。Expo を触った瞬間、僕はそう感じました。
この記事では、大森翔吾(株式会社CAEN 代表)が、DYSTOPIA・だいたい時計・お天気おかん・BeepDrill などを Expo で開発してきた経験をもとに、Expo とは何か、なぜ AI 駆動開発と相性が良いのか、Claude Code や Cursor とどう組み合わせるかを、初心者向けに解説します。
そもそも「スマホアプリを作る」ってどういうこと?
スマホには大きく2つの世界があります。
- iPhone(iOS):Apple が作っている
- Android:Google が作っている
もともと Apple は「Swift という言語で書いてね」、Google は「Kotlin で書いてね」と言っていました。つまり同じアプリでも iOS と Android で別々にコードを書かなきゃいけない時代が長かったのです。個人開発者にとっては地獄です。2個作るなら2倍の工数、ではなく体感3倍以上。
そこで登場したのが「クロスプラットフォームフレームワーク」。1つのコードで iOS / Android 両方に出せる仕組みです。有名どころが Flutter(Google 製)、そして React Native(Meta 製)。
僕は2年前、DYSTOPIA の初代版を Flutter で作りました。Flutter 自体はすごい技術なんですが、初期設定が難しすぎたんですよ。「こんにちは」を画面に出すまでにエラーを何個踏んだか分からない。そして何度も同じ詰まり方をしました。
Expo は「React Native の大げさに便利なパッケージ」
そんな中で僕が出会ったのが Expo です。
Expo を一言で説明すると、こうなります。
React Native + TypeScript をベースに、初期設定・ビルド・配信・OTA 更新までを全部まとめて面倒を見てくれるフレームワーク。
React Native は Meta(旧 Facebook)が作った「JavaScript / TypeScript で書いたコードを、iOS/Android のネイティブアプリに変換してくれる」仕組みです。これ単体でも強力なんですが、素の React Native は設定・ビルド環境・証明書まわりが地味に辛い。Expo はその辛い部分を全部自動化してくれる公式パートナーみたいなものです。
Expo を使うと何が嬉しいのか
- TypeScript で iOS/Android 両方のアプリが書ける(言語を2つ覚える必要なし)
- 「こんにちは」を表示するまで数分(
npx create-expo-app→npx expo startで終わり) - Expo Go アプリで、自分のスマホで即座にプレビューできる(QR コードを読むだけ)
- Xcode や Android Studio の複雑な設定をほぼ触らなくていい
- EAS Build でクラウドビルド(自分の Mac のスペックが低くてもビルドできる)
- EAS Submit で App Store / Google Play への提出を自動化
- EAS Update で OTA 更新(再審査なしでユーザーのアプリを数十秒で直せる)
最初に Expo で npx expo start を叩いて、パソコンに QR コードが出て、それをスマホの Expo Go アプリで読み込んだら、自分のスマホに「こんにちは」が表示される。この瞬間、僕は Flutter でゼーゼー言ってた日々を思い出して本気で感動しました。
なぜ Expo が AI 駆動開発と相性が良いのか
ここからが本題です。Expo が AI 駆動開発と相性抜群な理由は、大きく3つあります。
1. コードが「普通の TypeScript / React」だから、AI が得意
Expo アプリは React Native + TypeScript で書きます。つまり中身はほぼ React のコンポーネントです。
これ、とても大きい話で、今の LLM(Claude、GPT、Gemini)は学習データの中でも React / TypeScript を大量に読み込んでいる。なので、
- 「ログイン画面を作って」
- 「このボタン押したら API を叩いて、結果をリストに出して」
- 「タブバーを追加して」
みたいな指示が、AI にとって一番得意な土俵で出せるわけです。Swift や Kotlin だと知識量はあっても、「iOS/Android の作法の差」「ネイティブ API の癖」で AI の精度が落ちやすい。Expo ならそこが平準化されます。
Cursor のエージェント機能や Claude Code に「このアプリに通知機能を足して」と頼めば、複数ファイルをまたいで実装してくれます。React Native のエコシステムが大きいから、AI が提案するライブラリもまず間違いが少ない。
2. EAS Build でビルド地獄から解放される
スマホアプリを App Store / Google Play に出すには「ビルド」という工程が必要です。書いたコードを iOS / Android が読める形式のファイル(.ipa / .aab)に変換する作業ですね。
これ、自分のパソコンでやろうとすると本当に地獄で、
- Mac に Xcode を入れて、
- 証明書を作って、
- プロビジョニングプロファイルを設定して、
- Android 側は Android Studio と Gradle と JDK のバージョンを合わせて、
- いざビルドすると Mac が重くなって扇風機みたいな音が鳴って、
- そして失敗する
みたいな世界です。Expo の EAS Build は、この全部をクラウド上でやってくれる。eas build --platform all を1発叩けば、Expo のサーバーでビルドが走り、完了通知が来ます。自分の Mac は静かなまま。AI 駆動開発ではコードを書くサイクルが極端に速いので、ビルド待ちで手が止まるのは致命傷。EAS Build で解決します。
※ EAS は2026年4月時点で無料枠(月30ビルド程度)+有料プラン(月19ドル〜など)の構成です。為替・料金改定で変動するので最新は公式で確認してください。
3. EAS Update(OTA 更新)が AI 駆動開発を加速する
ここが僕が一番「ヤバい」と思っている機能です。
通常、スマホアプリを修正してユーザーに届けるには、
- 修正してビルド
- ストアに再申請
- Apple / Google の審査(数時間〜数日)
- ユーザーがアプリを更新
- やっと反映
というフローが必要でした。つまりユーザーが体験する「直った」までに最短でも1〜2日。
EAS Update は、JavaScript レイヤーの変更なら再審査なしで数十秒で全ユーザーに配信できる 機能です。eas update を叩くと、ブーンと数十秒、それだけでユーザーのスマホが直る。
AI 駆動開発は「サッと書いて、サッと直して、サッと試す」が本質です。EAS Update があるおかげで、リリース後も AI と一緒にガンガン修正を回せる。この速度感は、個人開発者にとって信じられないほど強力な武器です。
僕が Expo で作ったアプリ
DYSTOPIA(リメイク版)
2023年にリリースした SNS アプリ DYSTOPIA を、2025年9月に Expo で完全リメイクして再リリースしました。
初代は Flutter で開発しており、リリース当日 X で100万インプレッション・3日で5万ユーザー・翌日「めざましテレビ」に呼ばれるという大バズりをしたプロダクトですが、開発リソースの問題で進化が止まっていました。Expo に移してからは、AI 駆動開発で1人でガンガン機能を足せる体制に戻っています。
だいたい時計
だいたい時計 は、「何時何分」ではなく「だいたい何時ごろ」しか分からない時計アプリ。最初は Flutter で出しましたが、メンテナンス容易性のため Expo 系のスタックに寄せています。
お天気おかん
ハッカソンで作ったギャグアプリ。天気情報を AI に読ませて、お母さんみたいな口調で「まる、夕方から雨降るらしいから傘持っていきよ」と喋ってくれるやつです。Expo の立ち上げの速さのおかげで、ハッカソン期間内に形にできました。
BeepDrill
開発者向けの小さなユーティリティ系アプリ。こちらも Expo で開発。Expo の良さは**「とりあえず1個出してみる」の心理的ハードルが低い**ところにもあります。
Expo × AI 駆動開発の実際のフロー
僕の普段のワークフローはこうなります。
- アイデアを箇条書きで Cursor / Claude Code に投げる
npx create-expo-appで雛形を作る- AI にコンポーネントを書かせる(React Native のコンポーネント、画面遷移、状態管理まで)
npx expo start→ Expo Go でスマホで即確認- 動いたら EAS Build でビルド
- EAS Submit でストア提出
- リリース後の微修正は EAS Update で即座に配信
「書く → 実機で触る → 直す」のループが数分単位で回せる。これ、Flutter 時代には考えられなかった速度です。
AI 駆動開発の本質は「作る速度が 10倍になって、試行回数が増えること」。Expo はこの試行回数を物理的に支えてくれる基盤です。
Expo の注意点(正直に書く)
ここまで Expo を絶賛してきましたが、弱点もあります。正直に書きます。
- 超ネイティブなこと(独自の Bluetooth 制御、重い画像処理など)は素の React Native や Swift/Kotlin に劣る場面がある。ただし Expo の Dev Client を使えばほぼ解消できます
- EAS の有料プランに入るとそれなりにコストがかかる(2026年4月時点で個人開発レベルなら無料枠で十分なことが多いですが、商用で頻繁にビルドするなら課金必須)
- OTA 更新できるのは JS レイヤーのみ。ネイティブコードに触るアップデートは結局ストア再審査が必要です
とはいえ、個人開発・スタートアップ・一人法人の初期プロダクトにおいては、ほぼ確実に Expo が最適解です。僕は迷わずおすすめします。
これから Expo で AI 駆動開発を始めるなら
ステップはシンプルです。
- Node.js をインストール
- Cursor をインストール
- ターミナルで
npx create-expo-app@latest my-appを叩く cd my-app && npx expo start- スマホに Expo Go アプリを入れて QR コードを読む
- 「こんにちはを、おやすみなさい に変えて」と AI に頼む
この6ステップだけで、もう AI 駆動でスマホアプリを作ってる人になれます。この体験は一度やってみる価値があるので、ぜひ試してほしいです。
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株式会社CAEN(代表:大森翔吾)では、Expo / React Native を使ったスマホアプリの AI 駆動開発支援、個人開発者・スタートアップ向けの技術選定相談、チーム研修を承ります。
- お問い合わせ:info@caen.co.jp
- ポッドキャスト:AI駆動開発ラボ(stand.fm)
- YouTube:@aidd-lab
- X:@shogo_oomori
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