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AI駆動開発で作りたいものがない人への処方箋|APIを起点にアイデアを量産する方法

この記事で分かること

AI駆動開発で一番よく聞く悩みは「技術的にできない」ではなく、「作りたいものがない」 です。

何でも作れるのに、作りたいものがない。

この詰まりを一発で解くのが、「API」を起点に発想する というやり方。僕 大森翔吾 が実際にやっている「API × ニッチな悩み」の掛け算と、ChatGPT に毎日アイデアを自動で提案させる仕組みを、初心者向けに解説します。

なぜ AI駆動開発で「作りたいものがない」問題が起きるのか

AI 駆動開発(AI にコードを書かせる開発スタイル。詳しくは ゼロから始める AI駆動開発 を参照)が普及した結果、「作れない」理由が消えた 代わりに、「何を作るか」が全責任として残りました

昔は「やりたいことはあるけど技術力がない」。今は「技術は AI がなんとかする、でもネタがない」。こっちの方が実は厄介で、手が止まる人が続出しています。

ここで効くのが、発想の起点を「やりたいこと」ではなく「使える素材(API)」側に置く やり方です。

APIとは? ざっくり「データの自動販売機」と思ってOK

API(Application Programming Interface)は、プログラムから別のサービスのデータや機能を呼び出すための窓口です。難しく感じますが、

  • 「東京都、明日の天気」と送る → 天気データが返ってくる
  • 「図鑑ナンバー25のポケモン」と送る → ピカチュウの情報が返ってくる
  • 「今日のニュース、日本、トレンド」と送る → ニュース一覧が返ってくる

こういう 「叩いたらデータが飛んでくる自動販売機」 と思えば十分です。世の中には、こういう自販機が 無料で公開されているものだけでも数百種類 あります。

実在する無料APIの例(ほんの一部)

カテゴリ作れるアプリの方向性
天気気象庁API、OpenWeather APIお天気通知、服装提案、傘リマインド
動画YouTube Data API切り抜き支援、チャンネル分析
辞書無料辞書API各種学習アプリ、ニッチ単語帳
動物Cat Facts API、Dog API癒やし系、豆知識アプリ
ポケモンPokeAPI(非公式)比較クイズ、図鑑アプリ
行政文化遺産DB、入札情報等地域活性、B向け情報整理
画像生成AI画像生成API素材生成、パロディ系
美術メトロポリタン美術館API作品ランダム表示、学習

「無料API 一覧」で検索すると、リスト化されたまとめサイトが一瞬で出てきます。眺めるだけで脳のシナプスがつながっていく感覚があるので、10分だけでいいから眺める のが最初の宿題です。

「API × ニッチな悩み」で発想は無限に湧く

API を起点にする、とはこういうことです。

  1. API を1つピックする(例:気象庁API)
  2. 「これを、誰の、どんな悩みに当てたら効くか?」を自問する
  3. 掛け算してみる

掛け算の具体例

  • 気象庁API × 子育てで毎朝服選びに困る親 →「お天気おかん」
  • AI画像生成API × 嘘臭い特撮ごっこがしたい層 →「嘘特撮マン」
  • 心理診断ロジック × SNSで回る遊び需要 →「嘘MBTI診断メーカー」

実際に僕が作った お天気おかん嘘特撮マン嘘MBTI診断メーカー は、すべて 先に素材や API があり、あとから「刺さる悩み」を見つけた 順番です。「熱いアイデアが湧いた!」という天才型のスタートではありません。

実例:PokeAPI で15分ゲームを作ってみた話

先日、スタバで作業していたとき、思いつきで Google AI Studio(詳しい解説はこちら) に「PokeAPI を使って、ランダムな2匹のポケモンを比較するクイズを作って」と投げました。

  • 簡単モード:初代の有名ポケモン × パラメータ差が大きい
  • 普通モード:ポケモン範囲広め × 差がそこそこ
  • 難しいモード:マイナーポケモン × 差が僅差

これを15分でプロトタイプまで到達。隣にいた小学校低学年の子が画面に釘付けになっていたので、「これ、子どもに刺さる方向に磨けばプロダクトになるな」と分かる。API を触った瞬間にアイデアが次の形に跳ね上がる、この体験が発想を太らせます。

ChatGPT のタスク機能で「毎日アイデアが届く」仕組みを作る

とはいえ「API を眺めて発想する」を毎日やるのは人間には続きません。そこで使うのが ChatGPT のタスク機能(スケジュール機能) です。

タスク機能とは

ChatGPT にお願いしたタスクを、指定した時刻に自動で繰り返し実行 してくれる機能です。設定画面のスケジュールから確認・編集できますし、チャット欄で「毎朝10時に〜してください。タスクに登録してください」と言うだけで登録されます。

僕が実際に走らせているタスク

  1. アイデア出しタスク:毎朝、「不自由さ × 任意の概念」でアプリ案を10個出す
    • 例:学び × 不自由 →「ゆっくりしか検索できない学習アプリ」
    • 10個中1個ビビッとくれば儲けもの、という期待値で流し読む
  2. イベント収集タスク:1ヶ月以内のAI/個人開発/インディーゲーム系のイベント・ハッカソンを毎日検索してもらう(無料・優遇ありは優先表示)
  3. ナレッジ収集タスク:論文ベースの猫の豆知識を毎日1件(新しく猫を飼い始めたので)

この3本を回すだけで、毎朝「ネタの新聞」が届く 状態になります。見逃してもいい、10個中1個でもいい、というゆるさで運用するのがコツです。

なぜ「不自由 × 何か」を回しているか

僕は元々プログラミング力が高くなかったので、「なんでもできる万能アプリ」で勝負すると死にます(なぜプログラミングを学ぶ意味があるのかは この記事 で書きました)。そこで生存戦略として、「あえて機能を削った不自由な価値」 を狙っています。だいたい時計 が代表例。「あえて時間がだいたいしか分からない時計」という不自由さを売りにしたアプリです。

この「個人開発者として勝てる土俵に持ち込む」という視点は、一人法人として独立して4年やってきて一番効いた考え方です(独立の経緯は こちら)。

今日からやる3ステップ

  1. 「無料API 一覧」で検索し、10分だけ眺める
  2. 1つだけ API を選び、Google AI Studio に「この API を使って〇〇を作って」と投げる
  3. ChatGPT にアイデア出しのタスクを1本だけ登録する(毎朝8時、「自分の興味 × ランダム概念」でアプリ案10個、など)

3ステップとも 今日のうちに手が動く作業 です。AI 駆動開発は「何を作るか」で止まった瞬間に死にます。逆に、素材(API)と提案者(ChatGPT)を先に自動化しておけば、作りたいものは勝手に向こうから来ます

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