AI駆動開発で複数AIを使い分ける実践術|Claude Code・Codex CLI・Gemini CLIの役割分担
この記事で分かること
2026年4月現在、僕(大森翔吾)は AI 駆動開発において Claude Code・Codex CLI・Gemini CLI の3つを同時に使い分けて います。どれか一つに絞るのではなく、役割を分けて併用 するのが今の最適解だと考えているからです。
- なぜ「最強の1つ」ではなく「3つ併用」が正解なのか
- それぞれのAIの得意分野と実運用での役割分担
- 3つを連携させるための Skill と自動化パイプライン
- 個人開発者がAIチーム3名分のスループットを出す具体的フロー
この記事は、すでに AI 駆動開発をやっていて「もう一段スケールしたい」「PRレビューまで含めて自動化したい」中級者向けに書きました。初心者の方は先に AI駆動開発の爆速フロー全公開 をどうぞ。
2025年 → 2026年:メインツールの「出戻り」
以前の記事 AI駆動開発の爆速フロー全公開 で、僕は「2025年9月に Claude Code から OpenAI Codex に乗り換えた」と書きました。これは当時の事実です。
ただ、半年経った2026年4月現在、Claude Code が僕の主軸に戻っています。理由は3つあります。
- Skill・Plugin の成熟:Markdown でエージェントの手順を定義する Skill、機能追加する Plugin が整い、定型作業が圧倒的に回るようになった
- 1M コンテキスト:Claude Opus 4.7 の 1M トークンモードで、大規模リポジトリを丸ごと読ませた調査が現実的になった
- Plan モード:実装前に方針をすり合わせる仕様駆動のワークフロー(詳細)が組み込まれた
一方で Codex CLI を捨てたわけではありません。「Claude Code を指揮官にして、Codex CLI を実装役として呼び出す」という使い分けが定着しました。
3つのAIの得意分野と役割分担
僕が実際に役割を振っている現状はこうです。
| AI | 強み | 僕の用途 |
|---|---|---|
| Claude Code(Opus 4.7 / 1M) | コンテキスト理解・Skill・Plugin・MCP 連携 | メインドライバー。調査・設計・Skill呼び出し・PR作成まで |
| Codex CLI(GPT-5.4 high) | 指示への忠実度、堅実な実装、余計なリファクタをしない | 重めの実装本体、Claude が苦戦したタスクのリカバリー |
| Gemini CLI | 広文脈での読み取り・設計レビュー | コードレビュー、セカンドオピニオン、文言検討 |
モデル名は2026年4月時点の表記です。後継モデルが出たら随時アップデートしますが、役割分担の発想自体は今後も変わらない と見ています。AI は「賢さの総合力」で比較するより、振る舞いの癖の違い で使い分ける方が再現性が高いからです。
使い分けの具体パターン
パターン1:Claude Code 主導、実装の重い部分だけ Codex に投げる
Claude Code で設計・調査・ファイル特定まで進め、実装の重い部分だけ Codex CLI に回します。僕は Claude Code 内に /codex という自作 Skill を仕込んであって、マスター(=僕)が「これは Codex に投げて」と言えば、コンテキストごと Codex CLI に渡して GPT-5.4 の推論ティア high で実装させる仕組みになっています。
Claude Code は監督、Codex CLI は熟練の実装者。このロール分担が、一人開発者の実質的な「チーム化」です。
パターン2:PRレビューを2AIで回す
PR を作った後のレビューも、AI を複数使います。
- CodeRabbit / Codex:自動でPRにレビューコメントを残す
- Gemini:重要なPRだけセカンドオピニオンを取る(
/second-opinion-geminiSkill) - Claude Code:2つのレビューを見比べ、妥当な指摘だけコミットして push
同じモデルに2回聞くより、別モデルに聞いた方が盲点が減ります。AI のアンサンブル学習を、開発プロセスに持ち込んでいるイメージ です。
パターン3:Discord から呼び出す
もう一段ラディカルな工夫として、iPhone から Discord 経由で Claude Code を動かす Bot を自作しています(claude-agent-bot)。
- Mac mini を自宅で常時稼働
- Discord の特定チャンネル → Mac mini の Claude Code にコマンドを転送
- 「このPR見ておいて」「このバグ調査して」を出先から送れる
AI 駆動開発は、デスクの前にいなくてもコードが進む 段階に入りました。
実際のフロー例:機能追加1本を最後まで回す
最近書いた機能追加を時系列で辿るとこうなります。
- Claude Code で現状把握+実装方針を Plan モードで詰める(10〜20分)
- 「
/codexで gpt-5.4 high にこの方針で実装を投げて」と指示(Claude → Codex CLI 起動) - Codex CLI が実装・テスト・コミット・PR作成まで完了
- PR に CodeRabbit / Codex の自動レビューが付く
- 重要なPRは
/second-opinion-geminiで Gemini に別角度レビューを依頼 - Claude Code で妥当な指摘を取捨選択 → 修正 → 再プッシュ
- CI が通ったらマージ
人間のやることは 方針の判断と最終承認 だけです。コードを書く作業は3つのAIが分担します。
なぜ「最強の1つ」ではなく「3つ併用」なのか
よく聞かれる質問に答えておきます。
理由1:得意分野の質が違う
AI は「賢さ」で比較されがちですが、実運用では 振る舞いの癖 の違いのほうが効きます。Claude Code は文脈把握が強い、Codex CLI は指示に忠実、Gemini CLI は広文脈でざっくり俯瞰が得意。能力ベクトルの違う3人を雇う 感覚です。
理由2:セカンドオピニオンの精度
同じAIに2回聞いても、同じバイアスで同じミスをします。違うAIに投げると、別の切り口で別の指摘が出ます。重要な判断ほど、別モデルに当てる価値があります。
理由3:単一障害点の回避
AI 駆動開発は AI サービスに完全依存します。どこか一社の障害・レート制限・規約変更で開発が止まるリスクを、複数AIの併用で分散できます。
理由4:コスト配分
フルパワーのモデルを全てのタスクに使うと、お金も時間も浪費します。タスクごとに適切なモデルを選べば、コスト最適化と速度の両立 が可能です(2026年4月時点の各社サブスクで数万円規模、為替・料金改定で変動)。
落とし穴と注意点
- プロンプトは AI ごとに最適化する:同じ指示文でも、AI によって解釈が変わります。Skill に「どの AI を呼ぶか」「どういう口調で渡すか」まで組み込むのがコツ
- 並走させすぎない:同じコードに3つのAIが同時に手を入れると、マージで地獄を見ます。1タスク1AI が原則
- 判断コストそのものを仕組み化する:「今回はどのAIを使うか」を毎回考えると疲弊します。パターン化して Skill にすると、判断コストが消えます
- AIの出力を丸呑みしない:複数AIを併用しても、最終判断は人間。特にセキュリティ・課金・外部APIに触れる変更は、必ず自分の目でレビューしてください
この仕組みが生む価値
一人法人の僕が、正社員エンジニアチーム並みの開発速度を出せているのは、複数AIを「チームメンバー」として扱っているから です。
- Claude Code = PdM 兼 テックリード
- Codex CLI = シニアエンジニア
- Gemini CLI = コードレビュアー
人を採用しなくても、月数万円で3職種のAI同僚が常に動いている。これが2026年の AI 駆動開発の現実的な到達点です。
この記事を読んで「うちもこの仕組み入れたい」と思ったら、後半のCTAから相談してください。環境構築まで伴走します。
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